【Vectorworks】ダウンライトの作り方(IESファイルを活用)

光源・照明

メーカーが提供しているIESを活用したダウンライトシンボルの作り方を解説します。

IESファイルとは、北米照明学会(Illuminating Engineering Society of North America)が定めた規格によって構成されており、照明の配光特性をパソコンなどの電子媒体を介して受け渡す場合の電子フォーマットで、照明器具の配光特性(フォトメトリックデータ)を3次元情報として、テキストデーターとして取り扱えるようにしたものです。これを利用することで、IESフォーマットに対応したCADや3DCG、照明計算ソフトなどにおいて、配光シミュレーションや照度計算が可能になります。

http://www.maxray.co.jp/academy/glossary_dic.html

今回はDNライティングの下記の商品を参考に進めていきます。
https://www.dnlighting.co.jp/products/id/84

器具をモデリング

まずはじめに新規ファイルに器具をモデリングしていきます。寸法は『納入仕様図面』を参考にしてください。天井と干渉しないようにx,y,z=0を基準にマイナス方向にモデリングします。発光部を表現したオブジェクトには『反射属性:グロー』を設定しておきます。

化粧枠外径:φ60.5 化粧枠内径:φ53.5 発光部分:φ25

器具をモデリングしたら、シンボル登録してテスト環境に器具を配置します。ビーム角に2つのタイプがあるので比較のためシンボルを2つ用意します。

壁からの距離:170 間隔:1500

カスタム光源の作成

次にカスタム光源を作成します。『光源ツール設定』から『カスタム光源設定』を選択します。『カスタム光源データ』から『ファイルの読み込み』を選択し、ダウンロードしたIESファイルを読み込みます。光源位置は器具オブジェクトと干渉しないように配置してください。

左:1/2ビーム角 30° 右:1/2ビーム角 48°

『カタログページ P.185』と比較すると、明暗差がかなり極端に出ていることが分かります。取り込んだ際に明るさに問題がある場合は、調光で微調整するようにしましょう。

左:調光 45% 右:80%

微調整できたら光源をセットにしたシンボルを登録しておきましょう。

まとめ

IESファイルは、配光特性を受け渡すのに有効な手段ですが、Vectorworks上では適切に表現されない場合が多いです。IESファイルに含まれる配光特性データを活かしながら、上手にパース表現していきましょう。

SACO

SACO

Vectorworks 歴13年。『明日から使えるテクニック』をテーマに一般書籍には記載されない、実践的な知識やTipsを発信しています。

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筆者プロフィール: JR東海 建設工事部 建築工事課 にて新大阪駅リニューアル工事を担当。イベント・展示会制作会社を経て、2015年に独立。 あらゆる業界の生産性向上を目的としたVectorworksユーザー向け学習コミュニティ VECTOR PRO を開設。個人の技術向上と企業のワークフロー改善、ソリューション開発に取り組む。Vectorworks歴13年。 Vectorworks 操作技能マスター認定 (認定番号:0917-006)

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