【Vectorworks】ワークシート関数の基本

その他

Vectorworksでは、ワークシートを活用することで設計データからあらゆる情報を自動的に抽出することができます。今回は代表的な関数について紹介していきます。

オブジェクトに与えた名称をリスト化する

ワークシートに品名をまとめる際に使用します。

Name(条件)

指定した条件を満たす図形の名前を返します。名前は形状タブから設定します。

データベースの見出しセル:=Nameは、データベース内の各図形の名前を返します。=Nでも設定可能です。

SymbolName(条件)

指定した条件を満たすシンボル名を返します。

データベースの見出しセル:=SymbolNameは、データベース内の各シンボルの名前を返します。

オブジェクトから数量を拾い出す関数

ワークシートに数量をまとめる際に使用します。

Count(条件)

指定した条件を満たす図形の数を返します。

データベースの見出しセル:=Countは、データベース内の各行の図形の総数を返します。

Area(条件)

単位ダイアログボックスの面積の単位に基づいて、条件を満たす2D図形の面積を返します。

データベースの見出しセル:=Areaは、データベース内の各図形の面積を返します。

SurfaceArea(条件)

単位ダイアログボックスの面積の単位に基づいて、条件を満たす図形の表面積を返します。

データベースの見出しセル:=SurfaceAreaは、データベース内の各図形の表面積を返します。

Volume(条件)

単位ダイアログボックスの体積の単位に基づいて、条件を満たす図形の体積を返します。

データベースの見出しセル:=Volumeは、データベース内の各図形の体積を返します。

オブジェクト情報を拾い出す

ワークシートにサイズをまとめる際に使用します。

Width(条件)

指定した条件を満たす図形の △x(横幅)を返します。

データベースの見出しセル:=Widthは、データベース内の各図形の幅(△x)を返します。

Height(条件)

指定した条件を満たす図形の △y(高さ)を返します。

データベースの見出しセル:=Heightは、データベース内の各図形の高さ(△y)を返します。

Length(条件)

指定した条件を満たす線分、壁、またはパスに基づくオブジェクトの長さを返します。

データベースの見出しセル:=Lengthは、データベース内の各図形の長さを返します。

一般的な関数

sum(数字1,数字2,…)

すべての数字の合計を返します。

=sum(A2,A10..A12)は、セルA2、A10、A11、A12の数値の合計を返します。

average(数字1,数字2,…)

すべての数字の平均値を返します。

=average(A2,A10..A12)は、セルA2、A10、A11、A12の数値の平均値を返します。

max(数字1,数字2,…)

リスト中の最大値を返します。

=max(C5,C7,C9)は、セルC5、C7、C9の数値のうち最大の値を返します。

min(数字1,数字2,…)

リストの中の最小値を返します。

=min(C5,C7,C9)は、セルC5、C7、C9の数値のうち最小の値を返します。

拾い出した数量の端数を調節する関数

int(数字)

数字を最も近い整数値に切り捨てます。数字は整数に変更される実数です。

=int(3.8)は、3という値を返します。

round(数字)

指定した数字を整数の桁に四捨五入します。

=round(2.345)は2を返します。

rounddown(数字, 桁)

指定した数字を、少数点以下の指定した桁数まで切り捨てます。

=rounddown(2.345, 2)は2.34を返します。

roundup(数字, 桁)

指定した数字を、少数点以下の指定した桁数まで切り上げます。

=roundup(2.345, 2)は2.35を返します。

その他

Image(条件)

指定した条件を満たす図形に関連付けられたイメージを返します。セル形式に、図形のサムネイルを表示するか、あるいは図形に適用された2D属性を表示するかを指定します。

データベースの見出しセル:=Imageは、データベース内の各図形のイメージを返します。

concat(文字列1,文字列2,文字列3)

複数の文字列を1つの文字列に結合します。

=concat(B3,’, ‘,B4)は、セルB3およびB4の内容を、カンマおよびスペースで区切った1 つの文字列として返します。

if((論理式),真の返り値,偽の返り値)

論理式が真の場合には、真の返り値を返します。論理式が偽の場合には、偽の返り値を返します。最大7つのif命令文を真の返り値の引数、偽の返り値の引数として入れ子にできます。

これらを活用することで、面積表器具リスト見積書まで自動的に作成することができるようになります。具体的な活用方法は今後の記事で掲載していきます。

SACO

SACO

Vectorworks 歴13年。『明日から使えるテクニック』をテーマに一般書籍には記載されない、実践的な知識やTipsを発信しています。

関連記事

特集記事

ランキング

  1. 1

    【Vectorworks】ガラスを表現するテクスチャ設定

  2. 2

    【Vectorworks】適当な設定から卒業!プロのイメージテクスチャの作り方

  3. 3

    【Vectorworks】バックライトを活用したペンダントライトの作り方

SACO

SACO

筆者プロフィール: JR東海 建設工事部 建築工事課 にて新大阪駅リニューアル工事を担当。イベント・展示会制作会社を経て、2015年に独立。 あらゆる業界の生産性向上を目的としたVectorworksユーザー向け学習コミュニティ VECTOR PRO を開設。個人の技術向上と企業のワークフロー改善、ソリューション開発に取り組む。Vectorworks歴13年。 Vectorworks 操作技能マスター認定 (認定番号:0917-006)

TOP